臨床工学部門
医療機器の専門職である臨床工学士は、病院内では医療技術者としての使命があります。
患者様が安心して医療機器を使用できるように、保守・点検による安全性と有効性を維持できるよう努め、医療チームの一員として邁進しています。
臨床工学部門からのごあいさつ
病院には数多くの医療機器が存在し、それらは安全に正確に使用されなければなりません。そのためには『確かな技術力』『幅広い知識』が必要です。
臨床工学部門では、医療機器を中央管理化し、機器の保守点検を一括管理することで安全に努めています。また、操作方法のマニュアル化だけではなく、医療機器研修、操作実務、情報収集に日々努め、知識と技術力を組織全体で育成しています。医療は日々進歩し続けています。常に最先端な医療を行えるよう、柔軟な思考と行動力を意識するよう奮励努力いたします。
臨床工学科 技士長 内野 翔
活動内容について
ME機器中央管理 ~Equipment Management
- 機器管理ソフトによるデータ管理化
- バーコードによる機器貸出
- 年間保守点検計画
- 稼働率
- 故障・消耗具合の均一化
中央管理システム概要
データ管理だけでなく院内での使用状況や配備不足等を把握する為、ラウンド業務をルーティン化
常日頃より現場に近い距離でMEが活動をすることにより安全な機器の使用確認や指導など多職種連携を深めている
特徴
当院の検査機器は3mGy以下という基準に合致しております
- 機器別のメーカー、型名、製造番号、購入歴、修理歴、貸出歴、稼働率を記録
- 保守点検計画によるスムーズな点検の実施と記録
- ラウンド業務による使用終了機器の回収や不足機器の補充
- 不具合等の即時記録と対応
- 精密機器のメーカ保守点検と記録
- 呼吸器使用時の立ち合い、使用中管理記録
- 点検予定機器の回収
透析室業務 ~Dialysis Room
血液浄化概要
- 2クール(月水金) 1 クール(火木土)
- 穿刺、返血、透析看護
- 血液データ、透析効率、膜管理、CaP表、シャント図管理
- 患者監視装置(多人数、個人機)水システム、透析液溶解装置の日常・定期点検
- エンドトキシン測定、生菌検査、ETフィルター交換、各種オーバーホール
- エコー穿刺
- 急性血液浄化(HDF、DHP、PE、CART)
- Covid19患者透析
心臓カテーテル検査 ~Equipment Management
- CAG・LVG検査
- ACh負荷検査
- EPS検査
- ペースメーカー植え込み・交換
心臓カテーテル検査・ペースメーカー業務
循環器医師との業務連携
CAGLVG、EPS、Ach負荷検査、ペースメーカー植え込み 交換術、一時ペーシング、PICCの介助兼外回り
内容
- 心臓カテーテル検査、ペースメーカーに対する必要な生理学、手技、基礎知識テスト、周辺機器の確認等の事前準備をツーマンセルで徹底していく。
- 清潔操作、カテーテル操作、フレミング操作、薬の作用、の反復練習と実践
- メーカーによるペースメーカー、不整脈について、ペースメーカー用語など様々な研修の実施
- ペースメーカー業務、イベントなどの履歴の記録と振り返り
- プログラマー操作
研修を実施してからの業務介入
ME研修 ~Medical training
- コロナ禍による非接触型の研修推奨
- PLATONによるeラーニング
- 独自のタブレット型講習
- 動画マニュアル配信
- eラーニング習熟度テスト
研修会概要
ME主要機器(輸液、シリンジ、ベッドサイドモニター、DC、呼吸器)についての基本操作マニュアル、トラブルシューティング、スライド資料、動画説明、eラーニングテスト問題、実技テスト、新人/中途職員講義等の研修会資料を定期的に作成、情報更新し、研修会の計画 実施を行っている。
特徴
- 部内での知識統一(どのMEでも同じ説目ができる)
- 不定期に実施する部署別研修(コロナ禍により△)
- スタッフ個人への実技テスト実施(操作、トラブルシューティング手技)
- 基知識の確認(eラーニング)
- 上記研修状況のplatonによる進捗や動画配信の管理
- 新たな動画マニュアル作成
- 簡易ポケットマニュアル作成
これからの目標
ZOOM等による多対講座
独自タブレット型講習
人工呼吸器管理 ~Equipment Management
- 呼吸器業務全般への関与
- 使用中データ、呼吸変化の記録
- 保守点検
- 医療安全研修の実施
人工呼吸器業務
機器メーカーを統一化。当院では日本光電:ハミルトンを8台導入している。
人為的なミスを減らす為、オールインワンの呼吸回路を導入、メーカー保守、使用前、中点検、校正を適宜実施している。患者呼吸状態をグラフィックや波形解析し、早期ウィーニングを促すよう努めている。
特徴
- ASVモード導入より早期離脱を目指す
- 肺コンプライアンス、気道抵抗変化に柔軟に対応
- 使用中点検により疾患、病状に合わせた呼吸変化を看護師、医師へアセスメント。
- リハビリ急性期班との呼吸リハビリ
- 感染予防策としてバクテリアフィルター、閉鎖回路の導入
- 災害対策としてコンプレッサー内臓タイプ
- NHF対応
- NIPPV対応
COVID19への取り組み
使用機器の選別とディスポーザーブル消耗品の使用
- 感染者専用機器を区別し、使用後の清拭、可能な限りのディスポーザブル化
- オゾン発生器による空間除菌
特徴
- 心電図モニター電極、SPO2プローブ、マンシェット、バクテリアフィルターへの変更
- COVIDマークによる選別
- 機器管理PCへの登録
- 陰圧テント管理
- 使用後の空間除菌の実施
CT値とは・・・
殺菌・不活性効果を示す指標として国際的に認められているもので、ガス濃度と時間の積(濃度「ppm」✕時間「min」)を表しております。CT値が高いほどその効果は増加し、逆にCT値が低いほどその効果は低下します。